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「確定測量が必要」と言われたら(2)

不動産売買において、建物の状態や築年数といったことには目が行っても「境界の確定」という項目が注目されることはあまりないかも知れません。しかしこの境界確定、実はとても重要なもの。正確な面積が土地の金額に直接繋がってくることはもちろん、買主様のその後の生活にも影響してくる場合も珍しくありません。今回は、土地と土地付き戸建ての売主様が注意すべき「境界」についてお話していきます。

境界を明示するのは売主様の義務

境界がはっきりしていなくても土地登記簿にある面積で売買する「公簿売買」という方法があるというお話を前回しましたね。この場合、買主様に特約の了承も得ているので、改めて境界を確定する必要はないのではないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実は公簿売買は「後々確定測量を実施して境界杭を再現する」ということを前提としているケースも多いです。そのため、しっかりと測量を実施し、引き渡しの時には境界も明確で境界杭もきちんと設置されている状態になっているのがベストです。

引き渡しの1週間ほど前に売主様・買主様、仲介の不動産会社が集まり、測量図を見ながら、「どこが境界なのか」「境界杭はどこに設置されているのか」など、明確な位置を説明しなければなりません。物件の引き渡し前に境界を明示するのは売主様の義務だからです。

しかし一昔前には、公簿売買の際に売主が確定測量を行わないという旨の特約を追加して「測量を実施しない」という契約をする不動産会社も見受けられました。さすがに最近ではそのようなことは少なくなりましたが、それでも買主様が住宅ローンを利用しない現金決済の場合には、確定測量が必須ではなくなる場合もあるため省いてしまう不動産会社も存在するようです。

また、境界杭というものは意外とすぐに失われてしまうのが現実です。特に金属プレートや鋲のタイプの境界杭は5年もすると土に埋まってしまったり、雨風の影響で破損したりしていることが多いのです。境界杭がそのような状態の場合は明確な境界の位置を示すことが出来ないので、再度設置することが必要になってくるでしょう。

境界に関するトラブル

自分の土地の境界を日頃から正確に把握している人は意外に少ないもの。そのため、隣地との境界を明示する確定測量において、売主様とその隣に住む方との間でトラブルが生じることがあるのです。

例えば、昔からの土地の場合は「ここの植え込みまでが私の敷地です」、「ちょうどこの石のところが境界線です」など、境界線が曖昧なことが少なくありません。そのため、きちんと測量して結果が出ても「そんなはずがない」と隣地の方に納得してもらえず、揉めてしまうことも。そうなると、引き渡し日が延期になってしまうといった困った事態も想定されます。

ほかにも「隣の家の一部が売主様の土地にはみ出している」というケースがよく見られます。とはいえ、隣の家の塀や木などが売主様の敷地内に入ってしまっている場合、「土地を売るので今すぐ撤去してください」とお願いするのはあまり現実的ではありません。

そのような時には、まず買主様への重要事項説明にその旨を明記して了承を得るとともに、売主様と隣地土地所有者が話し合いを行い、覚書を交わします。覚書には「次に建て替える際などには境界をきちんと守ること」というように明記し、約束してもらうことで買主様に手を打ってもらうことになります。

しっかりと境界が定まっていない土地の売買にはトラブルの火種が潜んでいるといえます。盲点になりやすい「土地の境界」と「確定測量」について注意を向けてみる必要があるでしょう。

弊社ではセカンドオピニオンの査定を無料で承っています。取引に疑問や不満を感じている売主様、ぜひ一度ご相談ください。

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